帝王切開
帝王切開

帝王切開(ていおうせっかい)とは、お母さんのお腹と子宮を切開し、赤ちゃんを取り出す分娩方法です。経腟分娩が難しい場合や、母子の安全を最優先に判断した結果として行われます。
あらかじめ日程を決めて行う「予定帝王切開」と、分娩中の状況変化により行う「緊急帝王切開」があります。いずれの場合も、赤ちゃんとお母さんの命を守るための大切な医療手段です。
手術前に説明と同意を行います。
麻酔(主に脊椎麻酔または硬膜外麻酔)を行います。
お腹と子宮を切開し、赤ちゃんを娩出します。
胎盤を取り出し、子宮とお腹を縫合します。
手術時間は通常1時間前後です。
帝王切開の傷は、一般的に下腹部にでき、長さはおよそ12cm前後が目安となります。実際の大きさはお母さんの体格や赤ちゃんの大きさ、手術の状況によって多少異なります。
皮膚の切開方法には「横切開」と「縦切開」があります。現在は、下腹部を横に切開する方法(いわゆるビキニラインに沿った切開)が主流で、下着で隠れやすく、比較的目立ちにくいとされています。一方で、緊急性が高い場合や医学的な理由がある場合には、縦切開が選択されることもあります。縦切開は迅速にお腹を開くことができるという利点があります。
傷あとの目立ち方には個人差がありますが、時間の経過とともに赤みは徐々に落ち着き、白っぽい線状の瘢痕へと変化していきます。体質によっては盛り上がり(ケロイドや肥厚性瘢痕)が生じることもありますが、必要に応じて外用薬やテープ療法などでケアを行います。
退院後の創部ケアについても丁寧にご説明し、できるだけきれいに回復できるようサポートいたします。不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。
帝王切開後は、腹部の創部に数週間痛みを感じることがありますが、痛み止めを使用しながらコントロールしていきます。無理のない範囲で、通常は翌日から少しずつ歩行を開始し、体の回復を促します。入院期間は経腟分娩よりやや長くなりますが、体調を確認しながら段階的に日常生活へ戻っていきます。また、子宮が元の大きさに戻ろうとする過程で後陣痛を感じることがありますが、これも回復の一環です。医療スタッフが経過を丁寧に見守りながら、痛みの緩和と早期回復をしっかりとサポートいたします。
帝王切開は腹部の手術であるため、経腟分娩と比べて回復には一定の時間が必要となります。術後は出血や感染などの合併症が起こる可能性もありますが、これらは慎重な経過観察と適切な処置により管理されます。また、子宮に手術の傷あとが残るため、次回の妊娠や分娩方法に影響する場合があります。いずれの場合も、母子の安全を最優先に十分な説明と管理のもとで実施いたします。
分娩中は、常にお母さんと赤ちゃんの状態を慎重に観察しています。赤ちゃんの心拍に異常がみられる場合や、陣痛が十分にあっても分娩が進まない場合、大量出血が疑われる場合など、経腟分娩の継続が安全ではないと判断されることがあります。その際、母子の命を守るために緊急帝王切開へ速やかに移行します。
緊急帝王切開は、できるだけ短時間で安全に赤ちゃんを娩出することを目的としています。当院では、医師・助産師・看護師・麻酔担当スタッフが連携し、迅速に手術へ移行できる体制を整えています。状況によっては数十分以内で手術を開始することもあります。
突然の判断に戸惑いや不安を感じられることもあるかと思いますが、可能な限りその時点の状況や必要性について説明を行い、ご理解いただきながら進めていきます。緊急という状況であっても、常に大切にしているのは「母子の安全」と「ご家族への丁寧な対応」です。
予定していた分娩方法と異なる結果になることもありますが、それはお母さんと赤ちゃんを守るための大切な選択です。私たちは、その後の心身のケアも含めて、安心して出産を振り返っていただけるようサポートいたします。
帝王切開であっても、赤ちゃんとの最初の時間を大切にできるよう配慮しています。赤ちゃんの状態が安定していれば、誕生後できるだけ早い段階でお顔を見ていただき、可能な範囲で触れていただけるよう対応しています。手術室内での短時間の対面や、ご家族へのご紹介も状況に応じて行います。
お母さんと赤ちゃんの全身状態が安定していれば、カンガルーケア(早期母子接触)を行うことも可能です。体温管理や呼吸状態を確認しながら、安全を最優先に実施します。
授乳については、術後の回復状況をみながら無理のないタイミングで開始します。直接授乳が難しい場合でも、搾乳や授乳サポートを行い、母乳育児のスタートを支えます。母子同室の開始時期も体調を確認しながら決定し、安心して育児を始められるようサポートいたします。
手術であっても、お母さんと赤ちゃんのつながりに変わりはありません。私たちは、そのかけがえのない時間をできるだけ大切にできるよう支援していきます。
帝王切開後の妊娠では、前回の手術でできた子宮の傷あと(瘢痕部)の状態を考慮しながら、慎重に経過をみていく必要があります。多くの場合、次の妊娠自体に大きな問題はありませんが、妊娠間隔や子宮の回復状況が重要になります。一般的には、子宮の回復のために一定期間あけてからの妊娠が望ましいとされています。
次回の分娩方法については、前回の帝王切開の理由、手術方法、術後経過、今回の妊娠経過などを総合的に判断します。状況によっては経腟分娩(いわゆる「帝王切開後経腟分娩」)が可能な場合もありますが、子宮破裂などのリスクを十分に評価したうえで慎重に検討します。一般的には安全性を優先し、計画帝王切開を選択します。
最低でも半年はあけていただきたいです。
必ずではありませんが帝王切開をお勧めします。帝王切開以前に経腟分娩をされている方であれば児の大きさ等を踏まえて経腟分娩を検討いたします。
可能です。
厳密な制限はありませんが3回程度で子宮の壁が薄くなり子宮破裂のリスクが高まると言われています。
本当です。前置胎盤や癒着胎盤の発生率は高まります。その場合は適切に高次施設と連携し対応いたします。
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